2011 Fiscal Year Annual Research Report
超大規模配置決定問題に対するメタ戦略の開発とその応用に関する研究
Project/Area Number |
22700228
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
外山 史 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (60323317)
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Keywords | メタ戦略 / 最適配置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超大規模かつ複雑な配置決定問題に対する新しいメタ戦略アルゴリズムの開発である。本年度は、超大規模な2次割当問題に対するメタ戦略アルゴリズムの検討を行った。2次割当問題は、配置決定問題における代表的な組合せ最適化問題の一つであり、施設配置問題やVLSIのセル配置問題など、応用範囲の広い問題として知られている。これまでに数多くの手法が提案されており、これらのアルゴリズムの性能評価にはQAPLIBと呼ばれるベンチマーク問題が用いられている。しかし、このベンチマーク問題は、問題サイズである要素数が100以下の問題がほとんどであり、最大でも256程度のものしか用意されていない。本研究では、問題サイズがQAPLIBの数十倍となる5000のQAPに対するアルゴリズムの検討を行った。このような超大規模な問題においては、組合せの数も爆発的に増えるため、従来用いられているアルゴリズムでは効率の良い探索ができない。本研究では、QAPLIBにはない非常に大規模な問題に対して、解の要素を複数のグループに分割してTabu Searchを用いることにより、効率的に探索を行う手法を提案した。Tabu Searchは、一度行った近傍解への遷移を一定の間抑制し、局所解に陥ることを防ぎつつ近傍操作を繰り返して優良解を探索する手法である。提案手法は、解の要素を複数のランダムなグループに分割する分割処理と、各グループにTabu Searchを適用する探索処理を繰り返し行う手法で、シンプルなTabu Searchよりも、近傍解の評価値を計算する時間を大幅に削減することができる。提案手法と従来のTabu Searchや局所探索法との比較実験を行った結果、提案手法の有効性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、超大規模な配置決定問題に対する新しいアルゴリズムを提案し、その有効性が確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において、アルゴリズムの提案を行い有効性を確認したが、実験では1種類の問題にしか適用しておらず、さまざまなサイズの問題に対する提案手法の性能を解析する必要がある。また、初期値の探索に関してまだ改良点を残しており、これについて検討することにより、さらに性能の良いアルゴリズムを実現することができると考えられる。
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