2010 Fiscal Year Annual Research Report
階層的な確率モデルにおけるベイズ学習の汎用的利用法の確立
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22700230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 賢二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特任助教 (10556062)
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Keywords | 機械学習 / ベイズ学習 / 交換モンテカルロ法 / スペクトル分解 |
Research Abstract |
本研究では,階層的な確率モデルに対する学習アルゴリズムとしてベイズ学習を考え,ベイズ学習の汎用的な利用を確立することを目的とする.その実現法として,交換モンテカルロ法によるベイズ学習の近似手法を取り扱う. 平成22年度では,動径基底関数ネットワークによるスペクトル分解問題にベイズ学習を適用し,その有効性を検証した.カンラン石の反射スペクトルの複合吸収帯の分離を行ったところ,惑星科学の専門家がその知見を駆使して得られた結果と同様の結果をデータのみから抽出することに成功した.また,別の実データとして,X線光電子分光(XPS)のスペクトル分解にもベイズ学習を用いた.スペクトルのピーク分離を行う前処理となるバックグラウンドの除去に,ピーク毎にバックグラウンド増加量を変化させるモデルを提案し,二硫化モリブデンのXPSデータに適用したところ,得られたバックグラウンド増加量のパラメータから,ピークの由来源が表面か内部かを示唆する結果が得られ,従来推定の邪魔になるバックグラウンドから,物性の情報を抽出することが可能になった. また,交換モンテカルロ法の挙動を調べることで,ベイズ学習の性質を明らかにする.そのために,系の性質がよくわかっている連想記憶モデルにおいて,交換モンテカルロ法を行い,得られた経験分布に主成分分析やクラスタリングを適用し,理論解析との比較により交換モンテカルロ法の挙動を明らかにした.
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Research Products
(8 results)