2010 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ最適化問題に対する新しいメタ戦略の枠組み・逐次制約充足法の開発
Project/Area Number |
22700231
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 裕一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (70334795)
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Keywords | 組合せ最適化 / メタ戦略 / タプ探索 / 配送計画問題 / スケジューリング問題 |
Research Abstract |
逐次制約充足法の考え方に基づいてPickup and delivery problem with time window(PDPTW)と呼ばれる車両配送問題に対して車両数を最小化するための近似解法を構築した.逐次制約充足法を構築するためには解の評価値を削減するためにボトルネックとなっている解の要素を効率的に列挙する必要があるが,そのようなアルゴリズムを考案して解法を構成した.提案した解法をPDPTWの代表的ベンチマーク問題へ適用した結果,300問題の半数以上で既知最良解を更新し,提案手法が非常に優れていることを確認した.この結果を国際会議EvoCOP2010で発表した. PDPTWの対して走行距離を最小化するための近似解法をMemetic algorithm(MA)を用いて構築した.PDPTWは実行可能解に課される制約が比較的厳しい問題であるが,このような問題に対して効果的な交叉(MAのオペレータ)を設計することは一般に困難である.本研究ではそのような問題に対して効果的な交叉法を構築する手段として,交叉の手続きに簡単な局所探索を導入し,制約を考慮しながらうまく親の部分解を組合せて子個体を生成する方法を提案した.この交叉法を用いてMAを構成して実験を行った結果,PDPTWのベンチマークのほとんどの問題で既知最良解を更新した.この結果を国際会議PPSN2010で発表した.また,同様の考え方に基づいて巡回セールスマン問題(TSP)に対して申請者が先に考案した交叉方法EAXを改良し,EAXを用いた遺伝的アルゴリズム(GA)の探索性能を改善した.この結果,数万~10万都市規模のTSPで既知最良解を更新する非常に強力な近似解法を構成できた.この結果は国際論文誌に投稿中である.
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Research Products
(4 results)