2011 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ最適化問題に対する新しいメタ戦略の枠組み・逐次制約充足法の開発
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22700231
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 裕一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (70334795)
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Keywords | 組合せ最適化 / メタ戦略 / 制約充足問題 / スケジューリング問題 / 配送計画問題 |
Research Abstract |
昨年までの研究で,ジョブショップスケジューリング問題JSP)に対して逐次制約充足法の考え方に基づいた優れた近似解法を考案した,今年度は提案した手法をより洗練化して性能を改善させた.その結果,JSPの代表的なベンチマーク問題60問題のうち,8問題で既知最良解の値を更新した.また,逐次制約充足法を構成しているいくつかのアイデアのそれぞれが,探索性能にどれくらい寄与しているかをシステマチックに分析し,逐次制約充足法の枠組みのどの部分が特に重要なのか明らかにした.現在,これらの結果を雑誌論文へ投稿するための執筆作業をしているところである. 昨年までの研究で,VRPTWとPDPTWと呼ばれる2つの車両配送問題に対して逐次制約充足法の考え方に基づいた優れた近似解法(車両数最小化)を考案した.車両配送問題には様々な種類の問題があるが,上記の2つ以外のタイプの問題でも逐次制約充足法を用いた解法を構成して良い結果を得た.現在,これらの結果をまとめた内容を雑誌論文へ投稿するための準備を進めている. 逐次制約充足法の考え方に基づいて,boolean satisfiability problemやグラフ彩色問題の近似解法の構築を試みたが,あまり良い結果が得られなかった.この結果とこれまでの成功事例を基に,逐次制約充足法が得意な問題クラスとそうでない問題クラスについて知見が得られてきた.この知見を基に,現在,逐次制約充足法がうまく適用できそうな実問題応用を模索している.具体的にはTime tabling問題や航空機のスケジューリング問題などへの適用を検討しており,準備を始めている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジョブショップスケジューリング問題や車両配送問題のような代表的な組合せ最適化問題で世界最高レベルの近似解法を構築することに成功している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに,逐次制約充足法の考え方を用いて2種類の車両配送問題とジョブショップスケジューリング問題で非常に良い結果を得た.これらの結果は主に国際会議で発表してきたが,今年度はこれらの内容を発展させてより詳細な議論を加えた内容の論文を国際ジャーナルへ投稿する. 実応用問題に対して,逐次制約充足法の考え方を用いて優れた近似解法を構築する.具体的には,Time tabling問題,航空機のスケジューリング問題などへ適用を考えている. これまで個々の問題に対して逐次制約充足法の考え方に基づいて解法を考案してきたが,これらの方法を一般化した枠組みとして整理して逐次制約充足法の考え方を一般的なメタ戦略の枠組みとして提案する.
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Research Products
(5 results)