2010 Fiscal Year Annual Research Report
確率・ファジィ要因を適用した数理的リスク管理手法による生産量管理モデルの開発
Project/Area Number |
22700233
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蓮池 隆 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (50557949)
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Keywords | リスクマネジメント / 確率理論 / ファジィ理論 / サプライ・チェーン / 資産配分問題 / 在庫管理 / ネットワーク計画 |
Research Abstract |
客観的データ解析に人間心理や情報の質を組み込んだ,最適生産量決定に関する新たなリスク管理手法の開発を行うため,本年度は最適生産決定の基盤となる資産配分(ポートフォリオ選択)問題に対するリスク管理手法の研究のみならず,生産工程で意思決定が重要とされる在庫問題やネットワーク計画問題に対するリスク管理手法の開発も行い,それぞれの問題に対して確率・ファジィ現象を数理的に導入した問題への解法アルゴリズムの構築を行った.資産配分問題に関しては,より一般的な確率分布において,主観性を組み込んだ分布を考慮したモデルを提案し,その効率的な解法アルゴリズムを開発した.また近年,企業の社会的な責任(CSR)が重要視されていることも考慮し,金融資産配分問題のみならず,サプライ・チェーン内の生産量決定問題に対するCSRの影響の分析・評価を行い,中長期的の観点からCSR評価を導入する有用性を示した.在庫問題においては,商品需要の確率変動による需要を満たせない場合の不足コストをファジィ数で設定することで,様々な不確実・不確定性に対応した在庫モデルを提案し,その解析解の導出を行うことで,不確定性が強い状況下では在庫量をより多く見積もる必要性があることを示した.またネットワーク計画においては,商品輸送を考慮して,主に最短路問題に対して不確実性・不確定性を導入した場合のリスク管理手法を提案した.リスク管理手法の基盤として確率的側面はcVaRを利用し,ファジィ的側面は必然性測度を導入したハイブリッドなリスク管理手法を開発することで,より様々な状況におけるリスク管理が可能となった.
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Research Products
(14 results)