2011 Fiscal Year Annual Research Report
可塑的カオス・ニューロン結合系を用いたポスタリゼーション機能を持つ画像領域分割法
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22700234
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤本 憲市 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20300626)
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Keywords | ニューロン結合系 / 可塑的結合 / ポスタリゼーション / 動的画像領域分割 / 離散時間力学系 / 振動応答 / 非線形ダイナミクス |
Research Abstract |
研究代表者らは,動的画像領域分割のための離散時間カオス・ニューロン結合系を提案している。提案システムは入力画像における画素数と同数のニューロンから構成され,画素値などの情報に基づいて近傍画素に対応するニューロン間の結合が形成される。ニューロン間の結合強度が不変である従来システムに対して,ニューロン間の結合に可塑性を与えることによって,高階調濃淡画像にも適用可能な動的画像領域分割法の基盤技術を開発することが本研窒の主な目的である。本年度得られた主な成果は以下のとおりである。 1.高階調濃淡画像に対する動的画像領域分割は提案システムのポスタリゼーション機能に依存し,ポスタリゼーションはニューロン間の結合ダイナミクス(可塑性)によって決定される。人工的に作成した数階調程度の濃淡画像に対して提案システムのダイナミクスを解析し,適切なポスタリゼーション結果が得られるシステムパラメータ値を見いだした。 2.動的画像領域分割処理はニューロンが生成する振動応答に基づいて実行される。濃淡画像入力の場合,類似濃度値を持つ隣接画素に対応したニューロンの振動応答が同相で同期することが望ましい。人工的に作成した数階調程度の濃淡画像に対して提案システムの縮約モデルを構築し,その縮約モデルにおけるニューロンの振動応答を非線形力学系理論に基づいて解析した。解析の結果,類似濃度値を持つ画素に対応するニューロンから同相振動応答が発生するシステムパラメータ値を見いだした。 3.上記の解析結果に基づいて,可塑的結合を有するニューロン結合系のシステムパラメータをチューニングし,数千画素程度の16ビット濃淡画像に対して適切な動的画像領域分割結果が得られることを例証した。また,これら研究成果の一部を雑誌論文などで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案している動的画像領域分割システムのパラメータチューニングを行うことが今年度の主な目的である。解析結果に基づいて動的画像領域分割システムのパラメータチューニングを行い,高階調濃淡画像を適切に画像領域分割できることが例証された。
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Strategy for Future Research Activity |
提案した動的画像領域分割システムの実用化に向けた検討を行う。具体的には,提案システムをグラフィック専用処理装置(Graphics Processing Unit)へ実装するためのプログラム開発を実施し,画像領域分割処理速度などの検討を行う。
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Research Products
(13 results)