2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700238
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高坂 拓司 大分大学, 工学部, 准教授 (80320034)
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Keywords | 衝突振動 / 周期的に変化する境界 / 機械振動 / 分岐解析 / カオスアトラク / 区分的に滑らかな系 |
Research Abstract |
研究目的を念頭に、基礎研究を行った: 1.実験系による衝突振動系の再現 本系の典型例である剛体架線・パンタグラフ系、「周期的に変化する」境界を有する板バネの挙動について実装を試みた。例えば剛体架線パンタグラフ系は、加振機の挙動によりバネとダンパーで接続された1自由度系の質点が拘束された系となるが、実験装置製作で問題となっていた加振実験および装置を改良し、測定環境を構築した。また回路素子を用い、POincare写像を取得する装置を作成した。一方、分岐点計算法を適用するため、実験系における各パラメータの取得、例えばレーザ変位センサを用いた反発係数の算出等を行った。また1周期解にしか適用できないものの、分岐点計算法の第一歩となる安定性解析手法を提案し、その正当性を示した。 2.衝突振動系特有の遷移メカニズムの解明 衝突振動系には質点と境界が接触し、解軌道の一部が境界と一体化しつつ振動する場合が存在する。この状況から角振動数を増加させると、その挙動は衝突のみが観測される振動へと遷移するという衝突振動系特有の分岐が発生するようである。特定のパラメータ空間においてはその遷移条件を解明していたが、上記の力学的メカニズムが広いパラメータ空間で普遍的に成立するか否かの検討を行った。その結果、この種の遷移はこの種の系に広く見られる現象であるが、報告が皆無であることがわかった。超安定周期軌道が密接に関係していると予想されるが、安定性に関する解析手法そのものが存在しないため、来年度も解析を進める予定である。
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