2010 Fiscal Year Annual Research Report
協調的情報探索における知識共有の理解を元にした効果的な支援
Project/Area Number |
22700244
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
上保 秀夫 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (00571184)
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Keywords | 協調的情報探索 / 情報検索 / 情報探索行動 / 旅行計画 / ユーザスタディ |
Research Abstract |
本研究では協調的情報探索の効果的な支援方法について認知的・技術的側面から取り組んだ。特に集団が検索作業中に共有する知識情報を観察し、その状況に適した検索戦略の選択や提案を対話的に行う仕組みを調査することを目的とした。平成22年度は、集団力学の見地から先行研究の文献調査、旅行計画を使った協調的情報探索の評価タスクの設計、そして予備調査を行った。 文献調査からは、集団の行動を学際的に研究する集団力学分野の知見が、協調的情報探索研究に有益な示唆を与えることが明らかになった。特に協調作業の分類や集団思考に関するモデルは協調的情報探索研究に直接関連するが、先行研究では十分に議論されていない。また旅行計画という作業は協調的情報探索を行う理由として多くあげられている為重要なタスクであるが、旅行計画を評価に用いるための方法論は確立されていないことが分かった。 以上のような理解を踏まえて、まずは旅行計画を協調的情報探索研究に用いる際の評価指標を予備調査を通して検討した。その結果、情報検索で典型的に使われる検索有効性の指標やログデータに加え、被験者によって作成される計画書から抽出できる移動地点、経路、移動手段、時間記載の有無などから旅行計画の質をある程度測定できることが分かった。また集団の談話内容は作業中の意思決定行動を理解する上で有用であると考え、データ収集範囲に加えた。予備調査で収集した会話データの書き起こしを行った。 最後にこれらの知見を元に、旅行計画を評価タスクとした協調的情報探索行動実験の設計を見直し、参加者ペア35組(計70名)のデータ取得を完了した。
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