2011 Fiscal Year Annual Research Report
米国のファンコミュニティにおけるアニメコンテンツ消費のエスノグラフィ
Project/Area Number |
22700260
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Research Institution | 東京都市大学 |
Principal Investigator |
岡部 大介 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (40345468)
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Keywords | ファンダム / エスノグラフィ / 実践コミュニティ / 学習 / メディア / ピアプロダクション / 状況的学習論 / サブカルチャー |
Research Abstract |
本研究では、米国を中心に展開されているアニメファンによる「非商業的な創造活動」について、社会的/文化的側面からアプローチした。今日、アニメなどのコンテンツは、単に受動的に視聴されるだけではない。それらの映像クリップは個々人の好みでリミックスされ、私的に、または趣味縁で繋がるニッチなグループの間で生成、流通される。それは生産を伴う消費スタイルであり、いわば「プロシューマー」の実践である。 この新しい文化を理解するために、22年度から継続して、1)ファンコミュニティへの参与観察と2)アニメファンダムコミュニティへの半構造化インタビューを実施した。1)では、ファンダム文化のメンバーがどのようにメディアコンテンツに接しているかについて理解するために、代表者自身がファンコミュニティのオンラインネットワークに参与しつつ、彼らの日常的な実践の理解に努めた。1)で得られた知見からインタビュープロトコルを作成し、2)において、(22年度から合計で)調査対象者15名にヒアリングを実施した。 これらの結果を受けて、23年度は、米国におけるアニメファンコミュニティにおけるエスノグラフィによるデータの分析と考察に注力した。野火的・地下茎(リゾーム)状のメディアコンテンツ利用の現状についての理解、記述を体系化し、特に「コミュニティにおける知識の生成」と、「実践のコミュニティへの参加とアイデンティティ形成」に関する論考を(研究協力者の伊藤瑞子氏との議論のもと)重ねた。この分析結果をもとに、書籍Fandom Unbound:Otaku Culture in a Connected Worldを執筆し、2012年1月にYale University Pressより出版した(研究協力者の伊藤瑞子、中央大学の辻泉との共編著)。米国および日本のファンダムにみられる「サブカルチャーのデザイン」について記述していくことを通して、今日的な「ネットワーク化された文化」の生成について理解できると考える。
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Research Products
(1 results)