2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際生活機能分類(ICF)を用いた電子化生活機能記録システムの研究開発
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22700265
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
三上 史哲 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教 (80550392)
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Keywords | 国際生活機能分類 / 情報システム / 医療・福祉 |
Research Abstract |
ICFの有効利用のためには電子化システムが不可欠であると考えられるが、わが国においてはICFを用いた大規模調査を実施し、ICFそのものの有効性を検証している先行研究がみられない。そこで、生活機能記録システムの開発に先立ち、肢体不自由児施設入所児を対象にICFを用いたアンケート調査を実施し、対象児の社会生活力の実態および支援の効果の把握を試みた。調査対象は肢体不自由児施設に入所する13歳以上17歳以下の児童162名であった。調査項目は国際生活機能分類(ICF)を活用して選択し、社会生活力に関連する【意思決定】、【日課の遂行】、【会話】、【コミュニケーション用具の技法と利用】、【基本的な対人関係】、【基本的な経済的取引】、【健康に注意すること】の7項目とした。評価にはICFが提唱する第I評価点(実行状況の評価)と第IV評価点(支援なしでの実行状況の評価)を使用した。社会生活力の実態(困難さ)は障害類型によって差がみられ、中軽度障害群が最も低く、重度肢体不自由群、重度知的障害群、重症心身障害群の順に高まった。また、支援の効果については、障害類型間で違いが認められた。これらの知見から、社会生活力の実態や支援の効果は知的障害の程度と密接な関連があるだけでなく、運動障害も一定の影響を及ぼすことが示唆された。ICFの概念を取り入れた調査を行うことで、心身機能(障害類型)の状態と社会生活力の関連や支援の効果の把握が可能であり、生活機能記録システムではこれらの結果を出力できる仕組みの構築が重要であることが確認された。
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Research Products
(9 results)