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2010 Fiscal Year Annual Research Report

鳥類と霊長類の視覚における種差の解明

Research Project

Project/Area Number 22700271
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

後藤 和宏  京都大学, 生命科学系キャリアパス形成ユニット, 特定研究員 (20546725)

Keywordsハト / チンパンジー / 鳥類 / 霊長類 / 視覚 / 比較認知科学 / 知覚的体制
Research Abstract

本研究の目的は、ヒト同様に視覚を主な感覚モダリティとする鳥類と霊長類を比較し、視覚処理における鳥類、霊長類の視覚特性を解明することである。視覚処理は全体と部分の2段階を仮定すると、ヒトでは前者が後者よりも優先されるのに対し、ハトでは部分処理が優先されると考えられている。本年度の研究では、先行研究で見られたハトとヒトの全体・部分の優先性における種差が、写真を用いた自然カテゴリーの弁別に関しても見られるかどうかを4種類の画像操作によって検討した。画像操作による全体情報と部分情報の欠損度合いが等しい場合、ヒトはどちらの刺激操作でも同様にカテゴリー弁別の精度が低下したのに対して、ハトは、全体情報よりも部分情報を欠損する画像操作によって、弁別精度の低下が著しかった。この結果は、写真などの複雑な刺激に関してもヒトは全体情報を弁別手がかりとして利用しやすいのに対し、ハトは部分情報を弁別手がかりとして利用しやすいことが明らかとなった。
しかしながら、ヒト以外の動物が写真をヒト同様に三次元的なものの表象として認知するとは考えにくい。そこで、続く実験では、幾何学図形を用いて形態のもつ全体性の知覚をより検討しやすくするために、パターン優位性効果に注目した。ある視覚弁別課題を弁別するときに、ヒトは視覚的文脈なしで行う場合に比べ、視覚的文脈が与えられた場合に弁別が促進されることが知られている(パターン優位性効果)。この課題を用いて、チンパンジーが、ヒトと同様に、全体性を部分のまとまりによって創発するものとして知覚するかどうかを検討した。幾何学図形に関しては、チンパンジーでもヒトと同じように特徴の創発性を示唆する結果が得られた。これは、ヒトと系統発生的に類縁性の高いチンパンジーはヒト同様の全体性の知覚様式を持つことを示唆している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 2010 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] こころの多様性2011

    • Author(s)
      後藤和宏
    • Journal Title

      こころの未来

      Volume: 6 Pages: 24-27

  • [Journal Article] Interpreting the effects of image manipulation on picture perception in pigeons (Columba livia) and humans (Homo sapiens)2011

    • Author(s)
      Goto, K., Lea, S.E.G., Wills, A.J., Milton. F.
    • Journal Title

      Journal of Comparative Psychology

      Volume: 125 Pages: 48-60

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ハトとヒトの視覚的特徴結合における相似と相違2010

    • Author(s)
      大瀧翔・後藤和宏・渡辺茂
    • Organizer
      基礎心理学会
    • Place of Presentation
      兵庫県・関西学院大学
    • Year and Date
      2010-11-28
  • [Remarks]

    • URL

      http://researchmap.jp/kazuhirogoto

URL: 

Published: 2013-06-26  

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