2012 Fiscal Year Annual Research Report
時系列データ解析におけるノンパラメトリック手法の研究
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22700291
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小方 浩明 早稲田大学, 国際教養学術院, 助教 (30454086)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 時系列モデル / 分位点 / 安定分布 |
Research Abstract |
主に以下の4つの研究について述べる。 「時系列モデルに対する分位点による推定法」の研究は、ブリュッセル自由大学の研究者とともに行ってきた。分位点による推定法を論じるには経験分位点の漸近分布が必要であるが、S-mixingを仮定した定常過程のもと、経験分位点が漸近正規性を持つことを示した。またシミュレーションによりこの理論が妥当であることも確かめた。 「時系列モデルに対する経験尤度による推定法」に関しては、定常過程よりも一般的な局所定常過程に対して経験尤度の推定法を適用した。解析は周波数領域で行い、ピリオドグラムを用いて推定関数を構築し、対数経験尤度比の漸近分布を導出した。 「時系列モデルによる最適ポートフォリオ推測」の研究では、対数収益率過程に安定分布を仮定し、経験尤度を用いてそのパラメータを推測することを提案した。実際のデータで推定を試み、その推定されたパラメータを使って未来のデータをシミュレーションで発生させ、最適なポートフォリオを推定した。 「多次元安定分布パラメータの一般経験尤度法による推定」においては、経験特性関数と理論的特性関数をマッチングさせることで推定関数を構築し、一般経験尤度法によって多次元安定分布のパラメータを推測した。パラメータの中には連続量が含まれるが、そこは離散近似することによって対応した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、先に述べたようにいくつかの研究成果があげられ、またそれらが学術雑誌に複数掲載された。前年度に投稿した論文も掲載が決定し、おおむね順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はコピュラに関する研究を進めていきたい。時系列の設定の下、推定関数を用いてコピュラ関数を推測していくことを考えている。また、本年度得られた結果である「S-mixingの下での経験分位点の漸近正規性」を用いて、時系列モデルのパラメータ推定も試みていきたい。
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