2010 Fiscal Year Annual Research Report
Bregman情報量に基づく統計モデルの拡張とその応用
Project/Area Number |
22700292
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
藤本 悠 青山学院大学, 理工学部, 助教 (40434302)
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Keywords | 統計数学 / 情報基礎 / copula / 機械学習 |
Research Abstract |
本研究では情報量の一般化の考え方と深い関係のある,乗除算などの算術演算,及び統計的独立性の拡張を提案し,統計的推論の枠組みの中でこの拡張を用いた統計モデルの性質,有効性を整理し,実際の現場への応用の土台を構築することを目的としている.平成22年度は,提案モデルの統計的推論の文脈での応用としてナイーブベイズモデルの拡張を論じると同時に,一般化線形モデルの観点から提案手法の理論背景の整理を試みた. まず,ナイーブベイズモデルの拡張に関しては,確率変数間の弱い依存関係を提案手法により表現するという非常に単純な発想によって,例えば判別器としての性能の改善が可能になるといった応用上興味深い知見を得ることができた.また,ナイーブベイズモデルの拡張を試みる過程で,モデルとしての性能・精度が改善する背景として統計モデルの「曲がり具合」を柔軟に制御するという考え方が重要となることが明確となった.これにより今後情報幾何学的な観点からこれを論じることで提案モデルがうまく働くための条件などが議論できるものと期待できる. また,行列分解を一種の線形モデルとして解釈することで提案手法を用いた一般化を試み,それに際して様々な関連分野との関係の整理を行ったが,特に非負行列分解の枠組みで非線形な最適化問題を解くために用いられている陽な更新則で記述される反復推定法を導出するための方法論に則って議論していくことで,提案モデルの最尤推定を実現するためのアルゴリズムの導出が期待できることが分かった.柔軟な表現能力を持つ提案モデルの推定が比較的容易に実現できれば,より広い場面での応用も視野に入れることができることから,本研究で提案するモデルの様々な場面での実用化に向けた重要な研究指針を得ることができた.
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Research Products
(2 results)