2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700305
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 健吾 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (20365472)
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Keywords | RNA二次構造 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
前年度に開発した二次構造の距離尺度を用いてRNA二次構造を考慮したSNP同定手法を開発した。本手法を大規模SNPデータベースdbSNPに含まれるSNPに適用した結果、スコア上位SNPには難治性の遺伝病が多く含まれていることがわかった。これまでの非同義置換SNPにのみ注目した手法ではこのようなのSNPを発見することは難しい。また、大規模な解析結果から、同義置換SNPやタンパク質非コード領域内のSNPによる二次構造の変異が疾患関連遺伝子において統計的に有意に現れることが示唆された。以上により、本手法の有効性を示すことに成功したと言える。また、本手法をアラインメントにおける二次構造の保存度の計算に応用し、既存の手法に比べてアラインメントの品質に対してロバストであることを示した。すなわち、品質があまり良くないが高速なアラインメントを用いた場合にも十分な精度で二次構造保存度を計算することが可能であり、構造を持つ機能性RNAをゲノムワイドに探索する時に有効な手法となりうる。さらに、本研究の前提となるRNA二次構造予測の精度を向上するために、前年度開発したRNAシュードノット構造を予測する手法を改良して、反復改善法による予測精度向上と共通二次構造予測への拡張を実現した。また、アラインメントされていない配列群から構造アラインメントを計算する手法を開発した。本手法は、整数計画法と双対分解を組み合わせることによって、既存の手法と比べてはるかに高速に構造アラインメントを計算する手法であり、これまでの手法では実現困難だったシュードノットを考慮した構造アラインメントを実現している。
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Research Products
(11 results)