2012 Fiscal Year Annual Research Report
発生・分化システムの時系列遺伝子発現の安定状態(アトラクター)の同定と遷移解析
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22700311
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荻島 創一 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (40447496)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生体生命システム情報学 / 発生・分化 / 時系列発現解析 |
Research Abstract |
網羅的分子生物データの急増に伴い、複雑な生命現象を、個々の遺伝子としてのみならず、遺伝子発現の転写調節やシグナル伝達等のシステムとして理解するシステム生物学が急速な展開をみせている。なかでも、発生・分化過程の転写調節ネットワークの解明は、iPS細胞研究や癌研究等で進展著しい。本研究課題では、発生・分化過程について、個々の転写調節ネットワークの理解のみならず、システムズワイドな横断的な理解のために、細胞の遺伝子発現の安定状態(アトラクター)の遷移として大局的に捉える新しい方法論を構築した。iPS細胞等の分化過程や癌細胞の悪性化について、遺伝子発現データに基づいて相空間を定義し、Waddingtonのランドスケープに代わる細胞の状態安定性を示す細胞状態ランドスケープである発現ポテンシャル場を定義した。iPS細胞等の分化過程や癌細胞の悪性化のマイクロアレイデータを用い、発現変動の大きい遺伝子を抽出した。これらの遺伝子を用いた主成分分析により各細胞状態を分類した。次に、遺伝子発現量に基づいて各細胞状態の出現頻度を求め、細胞状態の頻度分布を作成した。この頻度分布を各細胞状態の実現確率の近似と考え、主成分分析で構成された平面に新たな次元として加え、網羅的な細胞状態の安定性を表した細胞状態ランドスケープである発現ポテンシャル場を算出した。アトラクターの同定に用いた遺伝子セット発現量の相空間について、その基底遺伝子セット間の転写調節ネットワークを同定し、安定状態(アトラクター)の形成要因について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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