2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起特異的な小胞輸送に関与するRabタンパク質の解析
Project/Area Number |
22700324
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 靖典 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (80443042)
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Keywords | 神経 / 樹状突起 / 極性 / 小胞輸送 / Rab |
Research Abstract |
我々の脳が高次機能を発揮するためには、神経細胞同士のネットワークの形成や情報交換が極めて重要である。これらのプロセスには様々な膜(小胞)輸送過程(例えば神経伝達物質の放出やその受容体の機能部位への輸送)が関与すると考えられているが、中枢神経系特異的な膜輸送制御の分子基盤は未だ未解明の部分が多い。中枢神経系における膜輸送制御メカニズムを包括的に理解するためには、中枢神経系の細胞に特異的な膜輸送の制御因子を同定し、それらの生化学的な性質を群細に検討するとともに、その膜輸送過程を可視化解析するとことが不可欠である。そこで本研究では、当研究室で独自に開発した『Rabの網羅的解析ツール(Rab panel)』を用い、軸索あるいは樹状突起特異的な膜輸送に関与するRabアイソフォームの同定とその機能解析を行い、神経細胞の極性形成におけるRabシグナリングネットワークの全貌の解明を目指した。 本年度はまず、神経軸索もしくは樹状突起で機能するRabアイソフォームを選別するため、海馬神経初代培養細胞に緑色蛍光タンパク質(GFP)タグがついたRabファミリータンパク質(GFP-Rab)を一過性に発現させ、その局在を分類した。その結果、41種類のRabタンパク質の中でただ1つ樹状突起にのみ局在するRabタンパク質を同定することに成功した。このRabタンパク質はまだ未解明な後シナプス特異的な膜輸送過程に関わる候補分子と考えられるので、今後、生化学的性質の解析およびイメージング解析を詳細に行い、中枢神経系における役割の全貌を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)