2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞、神経堤細胞の発生におけるRestの機能解析
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22700334
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
青木 仁美 岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (10550361)
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Keywords | 神経幹細胞 / 神経堤細胞 / Rest |
Research Abstract |
Restは神経分化のmaster regulatorと考えられているが、in vivoにおける遺伝学的な手法での証明はなされていない。そこでin vivoでの機能解析を行うため、Cre-LoxPシステムによる、全身性及び中枢神経特異的Rest条件付き遺伝子欠損(CKO)マウスを利用して、loss of functionでのRestのin vivoでの機能解析を行った。Rest CKOマウス由来胎児及び成体非神経組織では、培養下では胎児繊維芽細胞(mEF)/成体尾由来繊維芽細胞(TTF)同様に神経遺伝子の発現が抑制されており、Restの欠損によりRest標的神経遺伝子の亢進が見られた。一方でRest CKOマウス胎児由来培養中ニューロスフェア(NS)では、RestがmEF/TTF同様Rest標的神経遺伝子の抑制に一役かっているが、Rest CKOマウス胎児及び成体神経組織ではRestの欠損後にRest標的神経遺伝子の発現に変化を生じなかった。さらに、神経特異的Rest CKOマウスは正常に発生し、繁殖能力のある成体に成長し、脳組織に形態的異常を示さなかった。神経分化抑制遺伝子Restは非神経組織で神経遺伝子の発現を抑制しているが、in vivoでの神経発生において高度に制御された神経細胞の運命決定を障害しない。そのためin vivoの神経組織においては、Restを埋め合わせうる高度に調節された内在性の調節機構が作用しているだろう事が解明された。
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