2010 Fiscal Year Annual Research Report
器官培養を用いた神経幹細胞の形態学的プロファイリングによる遺伝子発現解析
Project/Area Number |
22700345
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
落合 和 星薬科大学, 薬学部, 講師 (40381008)
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Keywords | 器官培養 / 神経幹細胞 / 形態学的 / プロファイリング / ニューロン / 細胞周期 / 神経発生 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
神経幹細胞が最も盛んに分裂をしている時期である妊娠12日目の神経幹細胞を蛍光タンパク質(GFPの発現ベクター)ラベリングし、妊娠13日目に胎児の大脳を器官培養し神経幹細胞の挙動を経時的に観察し数時間おきの解析を行った。研究計画の当初は、神経幹細胞の形態から3パターンに分類する予定であったが、研究を進めるうちに、新たに3つの形態学的特徴を示す神経幹細胞(合計6パターンの神経幹細胞の形態)を見出すことができた。そのうちの3パターンは非常に変わった形態学的特徴を示しており神経幹細胞のこれまでの特徴とは異なるものであった。これらの特殊形態をとる機能未知の神経幹細胞の凍結切片を作製し、神経幹細胞マーカーであるNestin、BrdU、Ngn2、Pax6などの解析を行った結果、このような既存の神経幹細胞の分子マーカーでは、これまでの神経幹細胞のマーカーでは一様に染色されてしまうことがわかった。しかしながら、このような特徴を示す全体の神経幹細胞の割合からするとかなり割合が少なく、解析するには相当数のサンプルを必要とする。そこで、現在、極めて少数のポピュレーションの神経幹細胞のサンプルを効率良く採取するために数種類のラベリング方法を行ったが、期待するほどの効率の良いラベリングは行えていない。しかしながら、このような形態学的特徴を持った神経幹細胞が存在することは、神経発生の複雑さを解析する上で、非常に意味深いものであると考えられる。
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