2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト後側頭葉における機能的磁気共鳴画像(fMRI)研究を行うための最適手法の開発
Project/Area Number |
22700355
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
TANSKANEN Topi 独立行政法人理化学研究所, 認知機能表現研究チーム, 研究員 (90549007)
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Keywords | 認知科学 / 神経科学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
我々は、様々な視覚カテゴリに対する後頭側頭葉の応答の空間分布地図作成のための二つの視覚刺激手法を開発した。第一の手法は、複数カテゴリブロックローカライザーであり、ブロック毎に単一のカテゴリ内の刺激が連続して繰り返し提示される。この手法は、標準解像度のfMRI撮像と組み合わせられ、次の高解像度実験用の適切なターゲット領域を定めるために用いられる。そして、高解像度fMRI実験のために我々は、2つの視覚カテゴリ間を連続的に往復変化し続ける視覚刺激手法を開発した(第二の手法)。低次視覚領野の従来の研究に基づき、我々は、高解像度で皮質ユニットの選択性を捉えるためには、この種の刺激が従来のブロック手法より効果的であろうと期待している。これらの開発は、次年度の主要な実験を行う際の強力な技術的基盤となる。 上述の開発は、一般的なグラジエント・エコーfMRI法を用いて行われた。グラジエント・エコーfMRI法は、後方の後頭側頭葉領域では良く作動するが、もっと耳道に近い前方領域では、信号欠損に悩まされる。後頭側頭葉視覚領域のより完全な分布地図を獲得するため、我々は、これらの領域のイメージングに最適と考えられるスピン・エコーfMRI法を導入した。スピン・エコーfMRI法は、グラジエント・エコーfMRI法では見つからなかった領域の視覚応答を見いだす事に成功した。次年度の目標は、これらの領域における応答特性の細かい差異を検出できるようにするための、スピン・エコーfMRI法における信号雑音比率の更なる改善である。
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