2012 Fiscal Year Annual Research Report
下丘大型抑制性細胞の神経回路に注目して聴覚情報の統合様式を形態学的に解明する
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22700365
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 哲史 福井大学, 医学部, 助教 (90334812)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 聴覚 / 局所神経回路 / ウイルスベクター |
Research Abstract |
1. 聴覚系脳幹神経核興奮性ニューロンの下丘大型抑制性ニューロン集団支配様式の解析前年度までに大型抑制性ニューロンが聴覚系脳幹神経核からの入力を統合することが明らかとなったが、これは下丘のすべての大型抑制性ニューロンがすべての神経核から均等に入力を受けることを意味しない。大型抑制性ニューロンの下丘内での位置と、入力の由来との関係を明らかにするため、今までに実験を行った標本のうち13例の下丘のGFP陽性終末存在部位全体をレーザー顕微鏡でスキャンし、入力を受けた大型抑制性ニューロンの空間配置を解析した。下丘の局所軸索は同側下丘全体の大型抑制性ニューロンを支配するのに対し、下丘の交連軸索は下丘皮質の大型抑制性ニューロンを主に支配した。更に下位の聴覚神経核は下丘中心核の大型抑制性ニューロンを主に支配した。このように、大型抑制性ニューロンはその存在位置によって、主たる入力が異なることが明らかとなった。2. 大型抑制性ニューロンを選択的に標識する方法の開発前年度に報告したアデノウイルスベクターはニューロン以外にも多くのグリア細胞に感染してしまうため、注入部位近辺ではニューロン突起とグリアの突起が錯綜してしまい、実際のニューロン形態解析に難があった。また、PV-Creマウスとloxp配列を利用してPVニューロンのみにGFPを発現させるはずが、多数のPV陰性ニューロンがGFPを発現してしまった。この問題を解決するため、今年度はアデノ随伴ウイルスベクターの適用可能性を検討した。AAV2/1、AAV2/2、AAV2/5の3種類を検討したところ、AAV2/5において、4割強のGFP発現ニューロンがPV陽性であり、これはアデノウイルスや、AAV2/1、AAV2/2などよりも明らかに抑制性ニューロンへの感染性が高いことを示す。今後は感染したニューロンの詳細な形態を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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