2010 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質の錐体細胞間抑制を担う神経回路微細構造の解明
Project/Area Number |
22700373
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
足澤 悦子 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別協力研究員 (00446262)
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Keywords | 神経微細形態学 |
Research Abstract |
平成22年度は、大脳皮質の錐体細胞間に引き起こされる抑制性伝達の形態学的基盤を解明することを目的とし、その伝達に関与するカイニン酸型受容体の局在解析のための抗体スクリーニングを行った。具体的には、カイニン酸型受容体サブユニットのうち、KA2とGluR6/7に対する抗体を市販の抗体や共同研究者から入手し、SDS-FRL法を用いてレプリカ上で特異的な免疫標識が得られるかどうかの検討を行った。その結果、KA2およびGluR6/7両サブユニットにおいて市販の抗体が有効であることが、海馬組織から作製されたレプリカ上で確認された。さらに、得られた免疫標識が特異性を共同研究者から入手したKA2ノックアウトマウス、およびGluR6ノックアウトマウスの組織を用いて確認したところ、野生型マウスの組織において両抗体から得られた免疫標識はノックアウトマウスの組織からは検出されず、その標識の特異性が確認された。次に、これらのカイニン酸型受容体抗体とAMPA型受容体抗体による標識検出を効率よく行うために、レプリカ作製条件の最適化を行った。具体的には、マウスの灌流固定に用いるパラホルムアルデヒドの濃度検討とSDS溶液による組織の溶解条件の最適化を行った。その結果、2%パラホルムアルデヒドが有効であり、またSDS溶液による組織の溶解条件は、AMPA型受容体の検出には、80度で一晩、またカイニン酸型受容体の検出には、オートクレーブで105度15分が最適であることがわかった。以上の検討により、SDS-FRL法を用いて大脳皮質におけるカイニン酸型受容体とAMPA型受容体の局在解析を行うための準備が整った。
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