2010 Fiscal Year Annual Research Report
ALS患者iPS細胞由来アストロサイトを用いた非自律性運動ニューロン変性の解明
Project/Area Number |
22700377
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北岡 志保 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (00545246)
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Keywords | iPS細胞 / ALS / アストロサイト |
Research Abstract |
家族性ALSの一つである変異SOD1関連ALSの研究から、SOD1の発現量が病態に寄与していること、特に変異SOD1を高発現しているアストロサイトが非自律的に運動ニューロン変性に寄与していることが明らかとなっている。しかしながら、MS患者のアストロサイトが同様の効果を有しているかは明らかになっていない。 まず、細胞死を評価する実験系を確立した。ヒトiPS細胞から運動ニューロンを分化誘導し、レンチウイルスを用い運動ニューロン特異的にGFPを発現させた。GFP陽性細胞数を測定することにより、細胞死を評価した。既報の研究を再現するために、変異SOD1を高発現させたマウスおよびコントロールのマウスから初代アストロサイトを採取し、GFPでラベルした運動ニューロンとの共培養を行った。運動ニューロンとコントロールマウス由来アストロサイトとの共培養と比較し、運動ニューロンと変異SOD1を高発現させたマウス由来アストロサイトとの共培養では、共培養開始37日後でGFP陽性細胞が有意に減少した。 次に、ヒトiPS細胞由来アストロサイトの解析において、純化プロトコールの確立が重要である。そこで、下記二通りの方法を検討した。 第一の方法として、CD24,CD44,CD184の組み合わせによるソーティングを行った。参考論文ではアストロサイトはCD24,CD44,CD184のいずれも発現していることが報告されているが、ヒト初代アストロサイトはCD44のみ染色が確認され、CD24,CD184の染色は確認されなかった。 第二の方法として、アストロサイト特異的マーカーの一つであるグルタミン酸・アスパラギン酸トランスポーターに対する抗体を用いマウスアストロサイトおよびヒトアストロサイトのソーティングを行った。マウスアストロサイトの染色は確認されたが、ヒトアストロサイトの染色を確認することができなかった。
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