2010 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴデンドロサイトが放出する神経変性因子の同定と受容体の解析
Project/Area Number |
22700386
|
Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
鈴木 康予 独立行政法人国立長寿医療研究センター, バイオリソース研究室, 研究員 (60416188)
|
Keywords | 神経変性疾患 / 多系統萎縮症(MSA) / α-synuclein / オリゴデンドロサイト / トランスジェニックマウス / タンパク質精製 |
Research Abstract |
多糸統萎縮症(MSA)は非遺伝性の神経変性疾患である.その発症機序は解明されておらず,明確な診断方法と治療法がない.本研究では,MSAの発症機序を解析することにより,診断法・治療法の開発を目指している.これまでの研究で,MSAモデルマウスにおいて,変性したオリゴデンドロサイトの放出する液性因子が神経細胞内のα-synucleinの発現を促進し,神経細胞の変性の原因となるα-synucleinの不溶化を誘導することが示唆された.オリゴデンドロサイトから放出される液性因子を神経変性因子と名付け,平成22年度では候補神経変性因子の精製と同定を行った. 候補神経変性因子の精製のため,MSAモデルマウス(Tgマウス)およびnon-Tgマウス脳の初代培養細胞を用いてConditioned mediumを調製した.Tgマウス,non-TgマウスのConditioned mediumはそれぞれ限外ろ過によって粗精製を行った.粗精製標品をSDS-PAGEによって比較検討したところ,20k~50kにTgマウス特異的バンドがいくつか認められた.分析に向け各タンパクの精製度をさらに高めるため,ゲルろ過クロマトグラフィーを行い,いくつかの候補神経変性因子について単一のバンドを得た.得られたバンドはゲルから切り出し,In Gel Digestionによりフラグメント化し,MALDI-TOF MSを用いてペプチドマスフィンガープリンティング(PMF)分析を行い,7つの候補神経変性因子タンパクを同定した.
|
Research Products
(4 results)