2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700388
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小島 史章 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30550545)
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Keywords | 脳血栓症 / プロスタグランジンE2 / EP4 / 受容体欠損マウス / プロスタノイド |
Research Abstract |
脳虚血状態において、虚血周辺部位でのプロスタグランジンE_2(PGE_2)の過剰産生が認められており、脳梗塞を含む脳血栓症の病態形成におけるPGE_2の役割が注目されている。しかし、脳に高発現するPGE_2受容体サブタイプのひとつであるEP_4の脳血栓症病態形成における役割については、これまで詳細な検討がされていない。本研究の目的は、脳梗塞の病態形成におけるPGE_2-EP_4系の役割を解明することである。本年度は、脳虚血の病態を反映する脳血栓症モデルのひとつである永久中大脳動脈閉塞モデルを対象とした解析を行ない、EP4欠損マウスと野生型マウスの表現系について比較検討することで、脳梗塞の病態形成におけるPGE_2-EP_4系の役割解明を目指した。虚血直後の中大脳動脈支配領域とその辺縁領域の血流量はともに野生型マウスとEP_4欠損マウスで同等に低下していた。また、虚血24時間後の中大脳動脈支配領域とその辺縁領域の血流量についても、野生型とEP_4欠損マウスで同等に低下しており、両群間に差異を認めなかった。虚血24時間後に摘出した脳をスライスしてTTC染色を施行することで脳梗塞サイズを評価したところ、EP_4欠損マウスの大脳全球のサイズに対する脳梗塞領域の割合は、野生型マウスと同程度であった。さらに、虚血24時間後における運動機能障害の程度をNeurological deficit scoreによって評価したところ、EP_4欠損マウスと野生型マウスの両群間に有意な差を認めなかった。一方、EP_4欠損マウスにおける虚血後の脳浮腫の程度は、野生型マウスに比べて有意に軽減された。そこで、脳梗塞進展過程を先導するような様式で順次活性化されて障害部位に集積するミクログリアの純培養系を用いて、脳浮腫関連分子の発現およびその産生に対するEP_4欠損ならびにEP4標的薬物の効果を解析中である。
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Research Products
(19 results)