2011 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸受容体(GluR)δ2を介したシナプス形成の分子機構の解明
Project/Area Number |
22700390
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植村 健 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00372368)
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Keywords | シナプス形成 / 小脳 / グルタミン酸受容体δ2 |
Research Abstract |
シナプス後部のGluRδ2がシナプス前部のNeurexinと分泌蛋白質Cbln1を介して結合することにより三者複合体を形成することで小脳シナプス形成を調節していることが明らかとなった。これらの蛋白質のうち、Cbln1はCblnファミリーに属する蛋白質でCbln1,2,3,4が脳に存在し、小脳以外の脳部位においてはCbln1、2、4が発現していることが報告されているが分子機能は不明であった。Cbln1、2、4の前脳における受容体候補分子との結合を表面プラズモン共鳴法、pull-down法等の生化学的手法を用いて解析した結果、Cbln1、Cbln2はsplicese gment4を有するneurexin1α、neurexin1β、neurexin3β、neurexin3βと強く結合し、さらにGluRδファミリーに属するGluRδ1とも強く結合することが明らかとなった。一方、Cbln4はα-,β-Neurexin、GluRδ1とは非常に弱い結合能しか有しないことが明らかになった。大脳皮質初代培養神経を用いてCbln1、2、4の分子機能を解析した結果、Cbln1、Cbln2は大脳皮質神経細胞においてはシナプス前部のneurexinを介して興奮性、抑制性のシナプス前終末を共に分化誘導する活性を有することが示唆された。また、大脳皮質神経細胞においてCbln1、2は興奮性に比べ抑制性のシナプス前部をより強く分化誘導する活性を有することが示唆された。
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