2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患関連遺伝子群の担うシナプス形成の分子機構の解明
Project/Area Number |
22700392
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 知之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90372367)
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Keywords | シナプス形成 / IL1RAPL1 / 繊維芽細胞-神経細胞共培養実験 / 精神疾患関連タンパク質 |
Research Abstract |
精神疾患関連タンパク質のうちInterleukin-1 receptor accessory protein-like 1 (IL1RAPL1)を培養神経細胞に発現させるとスパイン密度、シナプス密度(Bassoonシグナル)ともに増加することがわかった。更に、培養神経細胞において2本鎖RNAを用いてIL1RAPL1をノックダウンするとスパイン密度、シナプス密度が減少した。種々のスワップ変異型IL1RAPL1を用いた実験からスパイン密度の調節にはIL1RAPL1の細胞内領域が必要であり、シナプス数の増加には細胞外ドメインが重要であることが明らかとなった。IL1RAPL1を繊維芽細胞に発現させ、海馬及び大脳皮質培養神経細胞と共培養すると、繊維芽細胞の周りにシナプス前終末マーカータンパク質であるBassoonが集積することが観察された。すなわち、IL1RAPL1はシナプス前終末を誘導するシナプス形成因子であることが明らかとなった。IL1RAPL1によって誘導されるシナプス前終末は小胞性グルタミン酸トランスポーターを含むが、小胞性GABAトランスポーターを含まないことから、IL1RAPL1は興奮性シナプス前終末を特異的に誘導することが示唆された。このシナプス前終末の誘導活性にはIL1RAPL1の細胞外領域のみで十分であることが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)