2010 Fiscal Year Annual Research Report
ケージド化合物とイメージング法を用いた神経細胞情報伝達分子ダイナミクスの定量解析
Project/Area Number |
22700414
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 裕子 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (10324823)
|
Keywords | ナノ繊毛 / 可視化 / 電気生理 / ケージド化合物 / 神経生理 |
Research Abstract |
本年度の実験では、LSM統合システムを用いて、ケージド化合物(ケージドAMP)を適用した単離嗅細胞シリアに多ポイント微小局所光刺激を行った。ナノスケール構造体であるシリアは光学顕微鏡の分解能(200nm)よりも小さな直径(100nm)を持つため、通常の顕微鏡では生きたまま可視化することが困難である。更に生きたシリア内での分子ダイナミクスを可視化することは技術的に困難を極めたため、NA=1.45の高NA対物レンズを使用した。レーザースポット径を小さくし、使用レーザーは目的に応じて異なる波長(ケージド解離には351・364nm、Fluo4の蛍光可視化には最適感度波長である488nm)を用いた。LSM-ROIシステムを用いて、シリア上にROIを用いて1μmもしくはそれ以下の任意の微小区画を選択し、その範囲内のみにレーザー光を照射することで、局所的にケージド化合物を解離させることが可能であることから、生体の単一シリア内で、局所的にケージドcAMP解離が可能であり、応答電流の確認も行った。局所レーザー刺激部位や大きさは任意に選択できるため、1μm以下のナノスケールでの刺激を行い、シリア全体での応答電流を確認した。このシリアにおける局所レーザー刺激に対する応答電流を記録し、電気生理学的特性を解析した結果、シリア全体にチャネルが存在していることは確認できたが、シリア内部の分子移動に関しては未だ解析の余地がある。レーザー顕微鏡によるシリアの可視化に関しては、細胞内Ca2+感受性インジケータとして、Fluo4を用いたが、本研究での対象は直径100nmシリアであることから、可視化が困難であり、更なる改良(蛍光効率・強度の高い試薬の選択)が必要であるため、次年度は、効果の高い試薬を模索し、最高効率の試薬でシリアの可視化を試みる。
|
Research Products
(7 results)