2011 Fiscal Year Annual Research Report
ケージド化合物とイメージング法を用いた神経細胞情報伝達分子ダイナミクスの定量解析
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22700414
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 裕子 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (10324823)
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Keywords | ナノ繊毛 / 可視化 / 電気生理 / ケージド化合物 / 神経生理 / 嗅覚 / UVレーザー / セカンドメッセンジャー |
Research Abstract |
実験に関しては前年度に構築したLSM統合システムを用いて、ケージド化合物(ケージドAMP)を適用した単離嗅細胞シリアに多ポイント微小局所光刺激を行い、解析した。生きたシリア内での分子ダイナミクスを可視化することが技術的に困難なため、NA=1.45の高NA対物レンズを使用し、使用レーザーは目的に応じて異なる波長(ケージド解離には351・364nm、Fluo4の蛍光可視化には最適感度波長である488nm)を用いて、レーザースポット径を小さくした。その際にはLSM-ROIシステムを用いて、シリア上にROIを用いて1μmもしくはそれ以下の任意の微小区画を選択し、その範囲内のみにレーザー光を照射することで、シリアの一部分のケージド化合物を局所的に解離させることが可能であり、局所応答電流の確認も行った。局所レーザー刺激部位や大きさは任意に選択できるため、1μm以下のナノスケールでの刺激を行って、嗅細胞の持つ嗅覚特性であるadaptation・summationから、シリアにおける物質移動を検討した。また、レーザー顕微鏡によるシリアの可視化に関しては、細胞内Ca2+感受性インジケータとして、Fluo4を用いたその結果、微細構造体であるシリア内では、嗅覚情報伝達カスケード内でセカンドメッセンジャーとして働くcAMP及びCaイオンが数μm以上拡散しないことが示唆された。本研究における発見により、ナノスケール構造体内の分子ダイナミクスがリアルタイムで測定・可視化でき、嗅細胞シリアにおいてはシグナル情報伝達システムの解明に繋がることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験システムの構築は完了し、そのシステムを用いた実験、データ取得を行った。その結果、これまで既存のシステムだけでは得られない、ナノスケール構造体内の物質移動について、電気生理学的指標と、リアルタイムでのカルシウムイメージング観察が同時に行うことが可能となり、新しい知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、シリア内の物質移動に関する知見を得ることが目的であり、その目的は達することができた。しかし、未だにシリア内の分子移動に関しては、可視化データと電気生理学データとのマッチングを得ることが技術的に難しい。そこで今後は、本研究で構築したシステムを改良し、嗅細胞シリア内での、リアルタイムな物質移動追跡を電気生理学的に、可視化の詳細の時間分解能を高めることができるように、実験システムを改良していくことを目的とする。
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Research Products
(5 results)