2012 Fiscal Year Annual Research Report
ケージド化合物とイメージング法を用いた神経細胞情報伝達分子ダイナミクスの定量解析
Project/Area Number |
22700414
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 裕子 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (10324823)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 神経生理学 / 電気生理学 / シグナルトランスダクション / ケージド化合物 / イオンチャネル / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
本予算を執行した研究に関しては初年度に構築したLSM統合システムを用いて、ケージド化合物(ケージドAMP)を適用した単離嗅細胞シリアに多ポイント微小局所光刺激を行い、解析した。生体シリアは直径が100nmであるが、嗅覚受容に関する情報伝達を担っており、重要な器官である。シリア内での分子ダイナミクスを実時間で可視化することが技術的に困難なため、NA= 1.45の高NA対物レンズを使用し、使用レーザーは目的に応じて異なる波長(ケージド解離には351・364 nm、Fluo4の蛍光可視化には最適感度波長である488nm)を用いて、レーザースポット径を小さくした。その際にはLSM-ROIシステムを用いて、シリア上にROIを用いて1ミクロンもしくはそれ以下の任意の微小区画を選択し、その範囲内のみにレーザー光を照射することで、シリアの一部分のケージド化合物を局所的に解離させることが可能であり、同時にパッチクランプ法を用いて、局所応答電流の確認も行った。局所レーザー刺激部位や大きさは任意に選択できるため、1ミクロン以下のナノスケールでの刺激を行って、嗅細胞の持つ嗅覚特性であるadaptation・summationから、シリアにおける物質移動を検討した。本システムは嗅細胞シリアのみならず、他細胞の微細構造体にも応用可能である。また、レーザー顕微鏡によるシリアの可視化に関しては、細胞内Ca2+感受性インジケータとして、リアルタイム可視化を行うことを可能とした。本研究における発見により、ナノスケール構造体内の分子ダイナミクスがリアルタイムで測定・可視化できるシステムが構築され、嗅細胞シリアにおいてはシグナル情報伝達システムの解明に繋がることが示唆された。これらの結果は国内外の学会(日本生理学会・AchemS等)で発表し、情報発信している。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(11 results)