2010 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光+発光+MRIプローブで体内の神経を可視化し神経損傷の効果的治療法を開発する
Project/Area Number |
22700417
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
原 央子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (40528452)
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Keywords | イメージング / ルシフェラーゼ / MRI / フェリチン / プローブ開発 |
Research Abstract |
本研究は「体外から脊髄神経細胞を可視化する技術の開発、およびそれらの技術を用いた効率的な疾患治療法の開発」を目的と位置づけ、行っている。 本年度は、蛍光+発光+MRIの三種融合プローブの作製と性能評価を行った。具体的には、(1)蛍光蛋白質YFP、発光蛋白質ルシフェラーゼ、そして鉄結合蛋白質フェリチン(MRIで検出)を発現するプラスミドベクターを作製し、(2)培養細胞(HEK293T細胞)での発現を蛍光観察により確認し、(3)プローブ発現細胞をMRIで鉄イメージングして性能評価を行った。研究計画の段階ではYFP、ルシフェラーゼ、フェリチンの三種の遺伝子を結合させた融合蛋白質が有用だと考えたが、本年度開発時にはYFPとルシフェラーゼを融合蛋白として発現しフェリチンが単独で発現するベクターも作製したところ、計画した融合蛋白質よりも念のため作製した後者の方がMRI観察に適していることがわかった。検討を進めていく過程で、計画とは異なるがより適したベクターコンストラクションを得ることができた。作製した融合蛋白質のうちで一番MRIに適していたコンストラクトの、「YFP-ルシフェラーゼ-2A peptide-フェリチン」が発現するベクターを、今後の研究に用いることとし、現在研究を続けている。 フェリチンを利用して鉄イメージングが可能であること、そして融合蛋白質の遺伝子コンストラクション方法によってMRI検出感度に差があることがわかり、有用なプローブを作製できたことが本年度の成果の一部分である。作製したプローブを使えば、発現する細胞全てをMRIで3D画像化し、発行蛋白質ルシフェラーゼにより生細胞のみをモニタリングし、ライブイメージング後に組織切片を蛍光観察して詳細を調べられると期待される。
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