2010 Fiscal Year Annual Research Report
皮質視覚野損傷マウスの上丘における神経回路再編成機構
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22700419
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金田 勝幸 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30421366)
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Keywords | 上丘 / GABA作動性ニューロン / 局所神経回路 / 皮質視覚野損傷 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
中脳の上丘浅層は網膜と皮質視覚野から視覚情報入力を受けているが、皮質視覚野損傷後の上丘においてどのような可塑的変化が誘導されるのかについては不明な点が多い。そこで本研究では、この点をシナプス・細胞・回路レベルで明らかにすることを試みた。 まず、細胞および回路レベルにおける変化を明らかにする目的で、インビボマウス個体における上丘浅層ニューロンの周辺抑制の程度め変化を検討した。周辺抑制とは小さな視覚刺激に対して強く応答し、刺激サイズが大きくなると抑制性入力のために弱い応答を示すようになる現象であり、興奮と抑制のバランスにより形成されると考えられるため、細胞および回路レベルでの変化を調べる上で重要な指標となりうる。皮質視覚野(17、18a、および18b野を含む)を吸引除去したマウスの視覚刺激に対する上丘浅層ニューロンの応答を細胞外記録により調べたところ、損傷約1週間後のマウスにおいて、12°および24°の視覚刺激に対する応答が健常マウスに比較して顕著に減弱していることが分かった。この結果は皮質視覚野損傷1週間後の上丘浅層ニューロンにおいて、周辺抑制が増強していることを示している。また、この周辺抑制の増強は損傷から約1ヶ月後には部分的に回復することも分かった。したがって、皮質視覚野損傷により上丘浅層ニューロンにおいて、細胞および回路レベルでの可塑的変化により一過性に周辺抑制が増強されることが明らかとなった。
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