2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22700423
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
廣野 守俊 独立行政法人理化学研究所, 運動学習制御研究チーム, 研究員 (30318836)
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Keywords | 小脳 / グロビュラー細胞 / セロトニン / プルキンエ細胞 / ルガロ細胞 / 抑制性シナプス後電流 |
Research Abstract |
運動学習を担う小脳は認知や情動機能にもかかわることが示唆されている。小脳顆粒細胞層にはルガロ細胞が存在し、そのサブタイプであるグロビュラー細胞が形態学的に同定された。グロビュラー細胞はセロトニンによって活動電位を発火する。また強い抑制性シナプス入力を受けている。本年度はグロビュラー細胞が発現するセロトニン受容体サブタイプの同定を試み、さらにグロビュラー細胞への抑制性シナプス入力について薬理学的な解析を行った。 これまでの免疫組織染色法によりグロビュラー細胞にはセロトニン受容体サブタイプの5-HT_<2c>や5-HT_6が発現する可能性が示唆されていた。しかし、5-HT_<2c>や5-HT_6に対するそれぞれのアゴニストを投与しても発火は誘起されなかった。ゆえに5-HT_2の他のサブタイプや5-HT_<3,4,7>といった受容体の発現が考えられる。 グロビュラー細胞への強い抑制性シナプス入力は主に近傍のプルキンエ細胞軸索側枝を介するものと考えられる。直接的な証拠を得るためグロビュラー細胞とプルキンエ細胞にダブルホールセル記録法を適用したところ、これまで複数のペア記録において、プルキンエ細胞への脱分極刺激がグロビュラー細胞の誘発性抑制性シナプス後電流(IPSC)を誘起することが確認できた。グロビュラー細胞からIPSCを記録し、Gタンパク質のG_<i/o>に結合する受容体アゴニストを投与した。カンナビノイドCB1受容体のアゴニストは自発性IPSCや微小rPSCをほとんど抑制しないことが分かった。またGABA_B受容体のアゴニストによる抑制作用もプルキンエ細胞から記録されるIPSCへの効果と比べて弱いものであった。このシナプス前膜ではG_<i/o>による制御は他のシナプス部位に比べて弱いことが示唆された。今後は小脳核ニューロンで記録されるIPSCと比較検討する予定である。、
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Research Products
(8 results)