2011 Fiscal Year Annual Research Report
体毛プローブを用いた神経発火様式のリアルタイム計測
Project/Area Number |
22700440
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉原 佑器 独立行政法人理化学研究所, 自立行動制御連携ユニット, 研究員 (60537025)
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Keywords | 計測工学 / 生体機能利用 / スマートセンサ情報システム / 脳・神経 / 可視化 |
Research Abstract |
脳神経系のメガニズムを解明するためには、全身の内部で起こる神経系の活動の様子を可視化できる装置の開発は重要である。本研究では、体毛を利用したリアルタイムの神経活動計測システムの開発を目指す。 本年度は、体毛を電線として利用する技術を開発するとともに、体毛電位測定パッチのプロトタイプの作製を目指した。初めから体毛の自然な保湿成分を利用して計測を行うことは、技術的に困難と思われた。そこで、先ず電解質として食塩水を導入できないかを検討した。内部構造の観察を容易にするために、ウサギ(ニュージーランドホワイト種)の白毛をサンプルに用いた。サンプルを着色した食塩水に浸し、顕微鏡で観察し、毛髄質全体にわたり溶液が浸潤する様子を観察しようとした。結果は予想に反して、毛髄質の端部に部分的に浸潤する様子のみが観察された。体毛に導電性を与えることは本システムの基礎となる要件であったため、これを可能とする実験条件を模索した。長時間浸してみたり、塩分の濃度を変えたり、また、色素の種類を変化させて見やすくするなど試行を繰り返した。通電するには至っていないが、この過程で、体毛に導電性を与えるための実験的な条件が判明してきている。 また顕微鏡では確認できなくとも、最終的には導電性を持たせることが重要なので、マクロな試験も同時に行った。体毛の両端を別の2つの食塩水に浸し、両端の溶液間の電気抵抗を測定した。しかし体毛を電線として利用できるという証拠をつかむには至らなかった。
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