2010 Fiscal Year Annual Research Report
モデルマウスを用いたIL-1/IL-17システムによる大腸がん促進機構の解析
Project/Area Number |
22700448
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
角田 茂 信州大学, ヒト環境科学研究支援センター, 助教 (80345032)
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Keywords | サイトカイン / 大腸がん / 疾患モデル / IL-17 / IL-1 |
Research Abstract |
疾患モデルおよび遺伝子改変マウスは、病態を分子レベルで解析する上で非常に有効なツールである。一方、大腸がんは近年の食生活の欧米化などにより罹患率が大きく上昇しており、その予防法および治療法の開発が強く求められている。そして、このようながんの発症過程の研究には動物個体を用いた研究は欠かせない。そこで本研究では、炎症性サイトカインの大腸がん発症における役割を明らかにすることを目的として、大腸がんの疾患モデルであるApc^<Min>マウスと炎症性サイトカイン・IL-1/IL-17ファミリー遺伝子欠損マウスを駆使した研究を行う。 平成22年度はIL-17ファミリー遺伝子欠損マウスとApc^<Min>マウスを掛け合わせることにより多重変異マウスを作出し、腸管ポリープ形成について評価した。Apc^<Min>-I117a^<-/->I117f^<-/->マウスにおいては、6ヶ月齢において腸管ポリープ形成が有意に減少することを見出した。このとき、細胞増殖や血管新生の低下が認められ、VEGFを始めとする血管新生促進因子の産生も低下していた。続いて、IL-17AとIL-17Fのどちらが重要かを明らかにするために、Apc^<Min>I117a^<-/->、Apc^<Min>-I117f^<-/->マウスを作出した。いずれのマウスでも腸管ポリープ形成の減少が認められたが、Apc^<Min>-I117a^<-/->I117f^<-/->マウスには及ぼず、IL-17AとIL-17Fのそれぞれがポリープ形成に促進的役割を担っていることが示唆された。現在、それぞれの中和抗体投与による治療実験を進めている。
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Research Products
(13 results)