2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤細胞選択的遺伝子発現機構を用いた高効率遺伝子ノックイン法の開発
Project/Area Number |
22700449
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 崇裕 京都大学, iPS細胞研究所, 特任研究員 (10572000)
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Keywords | 発生工学 |
Research Abstract |
エンドセリンA受容体(ETAR)遺伝子座に対しRMCEによってLacZあるいはEGFPを導入し、得られたノックインマウスを用いてETARの発現パターンを解析した。腎臓でのETAR発現はその発生段階において胎齢12.5日の尿管芽周辺の間葉領域に認められ、その後主に髄質間質細胞へと発現が広がることが分かった。また、胎児期の発現パターンの特徴として傍糸球体領域および糸球体内メサンギウム細胞でのETARの強い発現認が認められた。一方、成体になると間質および糸球体内メサンギウム細胞でのETARの発現は著しく減少し、一部の間質細胞や血管平滑筋、CD31陽性で示される傍糸球体領域の血管内皮細胞に限局することが分かった。更に傍糸球体領域の発現について調べたところ、輸入細動脈のレニン産生細胞はETARを発現していることが分かった。これらの成果を論文投稿によって公表した(Kitazawa T, Sato T et al., Gene Epr Patterns 11 : 371, 2011)。 神経堤細胞における遺伝子発現の責任となるエンハンサー領域と、そこに結合する転写因子を同定するため、ETAR遺伝子プロモーター領域のルシフェラーゼアッセイを行い、転写開始点近傍で2つの転写因子がタンデムに結合する配列約30塩基の重要性が明らかになった。生体内の神経堤細胞ではこのエンハンサー活性のみでは組織特異的高発現マウスが得られず、他の領域との協調が必要であると考えられた。 Cre発現アデノウィルスとノックインベクターを用いた受精卵での遺伝子導入の検討では、lacZ発現アデノウィルスの感染によって高い発現が受精卵で得られたものの、その後の胚発生率に悪影響を及ぼすため、その克服が重要な課題となった。
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Research Products
(3 results)