2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700456
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中西 友子 鳥取大学, 医学部, 助教 (10344863)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | DNA脱メチル化 / 雌雄前核 / ゲノムインプリンティング / マイクロインジェクション / 受精卵 / Bisulfite sequencing / GFP |
Research Abstract |
雌雄のゲノムは基本的に同じ遺伝子を持つが、DNAメチル化といった異なるエピジェネティック修飾を受けるため、お互いのゲノム機能に差異が生じることが知られる。我々はこれまでに、マウス受精卵の雌雄前核に外来性遺伝子を注入することで、雌雄ゲノムのエピゲノム制御機構を解析できるシステムを構築してきた。 今年度は、そのシステムが受精卵におけるインプリント遺伝子のメチル化制御機構の解明に応用可能か検討を行った。インプリント遺伝子H19の Imprinting control region (H19 ICR)は、受精後ゲノムがグローバルに脱メチル化される中でも、雄性ゲノムで高メチル化、雌性ゲノムで低メチル化状態に維持されており、そのためにH19の雌性ゲノム特異的な発現が制御されていることが知られる。今回我々は、人工的にメチル化したりしなかったりした外来性H19 ICRを雌雄前核に注入し、その後のメチル化状態の変化を追跡した。その結果、外来性H19 ICRは胚盤胞期までにグローバルな脱メチル化の影響を受け、胚盤胞においては雌雄前核どちらに注入した場合でもメチル化状態に差はなく低く保たれていたが、生体マウスにおいては新たにメチル化が誘導され、雄性前核への注入では雌性前核に注入した場合よりもメチル化状態が若干高くなっていた。このことから、H19 ICRは雄性ゲノムでは胚盤胞期まで脱メチル化から保護され、また着床後の雌ゲノムではメチル化から保護されることで、雌雄ゲノム特異的なメチル化状態が保持されていることが示された。以上のことより、我々が本計画で確立した「外来性遺伝子の雌雄前核注入システム」は、注入に利用する配列やその長さを変化させることで、インプリント遺伝子といった雌雄ゲノムの差異を生じさせるゲノム配列のメチル化制御機構を解明するのに有用であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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