2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700460
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
東濃 篤徳 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 研究員 (30470199)
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Keywords | 霊長類 / ストレス |
Research Abstract |
小胞体ストレス蛋白質のひとつにカルレティキュリンがある。カルレティキュリンは新生糖タンパク質の正しい高次構造の形成と品質管理を行うことが知られている分子シャペロンである。これまで細胞内小器官・小胞体に局在することが知られており、その働きが調べられてきたが、近年細胞外での働きも注目されるようになってきた。今年度は血中カルレティキュリン測定用サンプルとしてカニクイザル血漿を幼齢群(1.5歳)10頭、若齢群(5-10歳)20頭、老齢群(20-34歳)63頭の3群から、合計93サンプルの収集を行った。カルレティキュリン自己抗体を測定するためのELISA法に用いる標準物質としてカルレティキュリン組換タンパク質発現系を用いてリコンビナントタンパク質を精製した。 上記マテリアルからカルレティキュリン自己抗体のELISA測定系を確立し、カニクイザル血漿中におけるカルレティキュリン自己抗体の加齢に伴う変化を調査した。カルレティキュリン自己抗体は加齢に伴う増加を示したが、カルレティキュリンの増減は加齢とは関係がない傾向が見られた。抗原となりうるカルレティキュリンの恒常性とカルレティキュリン自己抗体の加齢による増加という現象から、加齢により免疫寛容系の崩壊が起こり自己免疫疾患の要因になっているのではないかと予想した。そこでカニクイザルリンパ球中における制御性T細胞の関与する免疫寛容系の加齢による変化をフローサイトメトリーによって解析し、細胞表面抗原マーカーであるFOXP3, FOXP3/CD25, CD25/CD4の発現が若齢サル血球に比べて老齢ザル血球で減少していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)