2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700470
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 智弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (10379034)
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Keywords | 磁気共鳴映像法 |
Research Abstract |
平成23年度においては、平成22年度に作成した新型プローブの最適化を図るように、出力傾斜磁場の時間制御プログラムの精密化を行なった。まず、プログラムをステートマシーンにより構成し直し、タイムスタンプを計測して、時間確定度の低いアナログ出力時以外の時間制御をクロック周波数における最小単位で制御出来るようにした。その際に、状態維持に必要な時間の長さに応じてクロック周波数を変更した。さらに新型プローブの傾斜磁場コイルの時間変動パラメーターの計測を行ない、その計測結果を用いて、任意の傾斜磁場パスルシーケンスの開発が行なえるようにした。また、計測した傾斜磁場強度の計算値からのずれが使用していたNMRスペクトロメータのバグであったことが分かった。その問題を修正し、傾斜磁場強度がほぼ計算値通り、最大4T/mの傾斜磁場強度の出力を確認した。しかし、その過程で、傾斜磁場コイルが故障したため、新たに2組の傾斜磁場コイルの作成を行なった。 最適化した傾斜磁場コイルを用いて、P53をノックアウトしたメダカの死直前における状態をダビデソン液による化学固定を行なったMR顕微鏡画像と病理切片画像、化学固定を行なわないMR顕微鏡画像を比較して、考察を行なった。 MR顕微鏡への定量的透磁率マッピングの導入を図った。定量的透磁率マッピングはMR信号における位相情報から組織の透磁率を求めるものである。関心領域の外からの磁場の影響を数学的に取り除くことができるSHARPという方法を採用して、計算シミュレーション実験、ファントム実験を行なった。この際に必要なスライス撮像と傾斜磁場エコーによる撮像を可能とさせた。 化学固定したメダカの病理連続切片からのレファレンスとしての3D画像の製作を行なった。病理連続切片においても、切片間のお互いの位置情報が失われているため、均質なマーカーを加えて,切片間の位置合わせを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精度の高い画像取得のためには装置の現状が厳密に把握されていなければいけないが、平成23年度においては、傾斜磁場コイルの出力強度制御や時間制御の精度を高めることができた。これにより、ライブイメージングに必要な撮像法が可能となっている。また、新たに、定量的透磁率マッピングの導入も図ることができいるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
傾斜磁場コイルの精密な制御によりライブイメージングを行なう。この際に、撮像時のメダカの生存環境の構築が必要となる。また、定量的透磁率マッピングの導入も完成させる。この際、新たに作成したプローブにおける傾斜磁場コイルの一つが、試料の動きを大きくさせてしまうので、再度傾斜磁場コイルを製作する必要がある。研究初年度から行なった鶏の胚子を用いた化学固定とMR画像の関連(物理パラメータ)について、実験を行なう。
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