2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700473
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中楯 浩康 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教 (10514987)
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Keywords | 頭部外傷 / 衝撃 / 神経軸索 / 微細加工 / ひずみ / ひずみ速度 |
Research Abstract |
交通事故やスポーツ事故時の頭部外傷を原因とするびまん性軸索損傷は,頭部に急激な慣性力が働くことによって脳組織が変形し,結果として神経軸索に引張応力が負荷され,細胞レベルでの機能的損傷や構造的損傷に繋がる.本研究では,衝撃ひずみ負荷による軸索損傷を定量的に解析することを目的とし,前年度では,生体適合性材料であるPDMS(Polydimethylsiloxane)を用いて細胞サイズと同等なマイクロトンネル構造を細胞培養面に加工することで,神経突起の伸長方向を制御可能であることを示した.また,リニアアクチュエータとPID制御を組み合わせ,~50%のひずみと~50/sのひずみ速度を負荷可能な衝撃引張装置を製作した.本年度では,幅50μm,高さ50μmのマイクロトンネルを用いて伸長方向を制御した神経突起に対して,ひずみを正確に負荷するため,細胞培養面の単軸引張を実現可能なPDMSチャンバを製作し,衝撃引張試験より神経突起損傷の形態学的解析を行った,細胞培養面の引張方向に垂直方向のひずみは,引張方向のひずみに対して10%未満に抑制された.PDMSチャンバ内の細胞培養面に通常培養により無秩序に伸長した神経突起と,マイクロトンネルを用いて引張方向に伸長させた神経突起に対して衝撃引張を負荷した結果,神経突起の伸長方向へのひずみの大きさと神経突起の膨張数に相関関係が認められ,通常培養した神経突起と比較して配向させた神経突起において1.5倍程度の高い損傷率を示した.
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