2011 Fiscal Year Annual Research Report
腹膜線維症改善を目指したHGF&BMPー7遺伝子導入積層型中皮細胞シートの開発
Project/Area Number |
22700477
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
崎山 亮一 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (30408471)
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Keywords | 腹膜線維症 / 肝細胞増殖因子(HGF) / BMP-7 / 積層型細胞シート / 線維症 / 細胞療法 / 再生医療 |
Research Abstract |
ヒト中皮細胞株(Met)にHGF遺伝子あるいはBMP-7遺伝子を導入した細胞をリポフェクタミンを用いて作成した。HGFならびにBMP-7遺伝子のGAPDHに対する発現量は、導入無しでは0%に対して、HGFでは267.5±8.0%、BMP-7では7.9±0.2%であり、P<0.01であり、優位な遺伝子発現がみられた。その細胞と温度感受性培養皿を用いて培養を行い、温度を37℃から20℃に下げる操作のみで細胞のみが培養皿から剥離する手法を用いて、細胞のみから構成されるHGF徐放中皮細胞シート(HMCS+HGF)ならびBMP-7徐放中皮細胞シート(HMCS+BMP-7)の作成に成功した。HGF遺伝子あるいはBMP-7遺伝子無の細胞シート(HMCS)のHGFならびにBMP-7の発現量は0pg/mlであるのに対して、HMCS+HGFでは約240pg/ml、HMCS+BMP-7では約80pg/mlであり、有意に高い放出量を示し、遺伝子の発現量を反映していた。さらに、温度感受性培養皿を用いて、HMCS+HGFにHMCS+BMP-7を重ねたHGF&BMP-7遺伝子導入積層型中皮細胞シートの作製に成功した。よって、本手法はin vitroで安全に目的の遺伝子を導入した細胞を用いてシート作製が可能であり、更に積層化させることで、強度が向上し、異なる遺伝子発現をもつ組織の構築ができ、線維化疾患の改善の強力なツールとなることが期待される。
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