2011 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚システムにおける非線形現象の解明とヒトに適応した補聴器開発への応用
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22700478
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
田中 慶太 東京電機大学, 理工学部, 助教 (10366403)
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Keywords | 生物・生体工学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
本研究の目標は,多様な聴覚情報が精神活動にもたらす恩恵及び悪影響について脳科学の手法を用いて,その機序を解明し,次世代の高度情報環境に有用となる様々なシステムを実現するための基礎を築くことである.そのため精神活動を積極的に支援する情報技術を聴覚情報と脳生理学的の関係から検討した.具体的には,これまでの申請者の先行研究で確認した聴覚システムにおける非線形現象(確率共鳴現象)が,どこで発生しているか,または発生しやすい条件などを明確化にすることで,この現象を利用し,微弱な信号を増幅させることで音声認識システムの構築や補聴器の開発などへの応用を目指した. 本研究は,一方の耳から振幅変調音,他方の耳から雑音を呈示し,左右の聴覚野から計測された脳磁界聴性定常応答に確率共鳴現象が確認された.更に両側頭間の実部と虚部コヒーレンス解析を用いた結果,実部のコヒーレンスでもこの現象が確認された.この結果より確率共鳴現象が中枢神経系で発生しており,且つ右聴覚野優位でこの現象が見られることを明らかにした. 他方,健常者と難聴者による比較検討を行うため,Severance Hospital(Yonsei Univ.)のグループの協力により難聴者に対する実験を行い,難聴者においても共鳴現象が見られる結果を得た.この結果は,確率共鳴現象を利用した補聴器などの生体応用への可能性を示唆する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究計画を遵守し,予想通りの結果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
難聴者の疾患(老人性難聴,先天性難聴など)の診断結果を参考に分類し,各疾患に関連した発生条件について分析し,臨床応用の可能性について検証を行う. 最終年度は,工学的知見を加え,前年度までの難聴者の発生条件の結果を元に,補聴器などへの応用の可能性について検証を行う. 国際会議で最終結果を報告し,各国の研究者と議論し,論文投稿の準備を行う.そして国外の論文誌に最終結果の発表(投稿)を行う.
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Research Products
(16 results)