2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700480
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小川 武人 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (10454050)
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Keywords | 化学工学 / 生物・生体工学 / モニタリング / 生体分子 / Label-free |
Research Abstract |
本研究課題では、蛍光増強免疫測定法を用いた非分離血中抗体測定法の開発を目的とする。平成23年度では、血液中でも測定可能な片面反射型の蛍光増強測定系を応用したフローセルを開発した。測定用のガラス基板に、蛍光試薬としてフルオレセインイソチオシアネート(FITC)を修飾したプロテインA(FITC標識プロテインA)を固定化した。このFITC標識プロテインA固定化ガラスを側面の一面に配置した片面反射型の蛍光増強測定を用い、まず、血液中での測定対象モデルとして免疫グロブリンG(IgG)測定についてバッチ法にて検討した。その結果、得られた蛍光強度をバックグラウンド補正することで、血液中でのFITC標識プロテインAとIgGの結合による蛍光増強が測定された。また蛍光増強は溶液中のIgG濃度と相関し、血液中IgGの非分離測定が可能であることが示された。次に、片面反射型の蛍光測定基板を用いてフローセルを作製した。このフローセルに緩衝溶液系にてIgGを送液したときの蛍光増強を測定した結果、高流量条件においてはバッチ式と同程度の10分でほぼ最大に近い増強が得られた。続いて、ウシ血液を溶媒として血液中物質のフロー式蛍光増強免疫測定を行った。まず、ウシ血液を用いた蛍光増強測定によって、血液中IgG濃度に依存した蛍光増強が測定された。また、血液に含まれるアルブミンが影響しないこと、FITC標識プロテインAを固定化していない基板を用いた場合は蛍光増強が起こらないことを確認した。そして、作製したフローセルを用い、血液中のIgGと固定化したFITC標識プロテインAの結合により蛍光増強することが確認できた。以上より、蛍光増強免疫測定法を応用することで、血液中の生体分子を非分離にて測定することが可能であることが示された。
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