Research Abstract |
本研究で目指す目的は,呼吸や脈拍といった微弱な生体信号から,人の筋の伸縮による大きな動きまでを,ヘテロコア光ファイバセンサを用いて,装着型計測,環境配置型計測システムとして無拘束・無意識生体情報計測モニタリングの構築を構築することである.装着型計測としては,普段身に着ける衣類とヘテロコア光ファイバ網を一体化させ,低コストで使用者の負担を低減したシステムを確立する.環境配置型計測では,浴室などで,呼吸状態を被験者がセンサを意識せずに,不快感を受けないモニタリングシステムを構築する.近年,高齢化に伴い浴室内での突然の発作や転倒,浴槽内の溺死といった事故が増加し,事故を防ぐための浴室内における生体情報モニタリングシステムが求められる.本研究によって,無拘束・無意識生体計測を日常生活において使用でき,高齢者などに負担をかけない健康管理,自宅内での事故を未然防止といった福祉分野にも貢献できる.平成22年度では,1.ヘテロコア光ファイバで脈圧と発汗をセンサユニットの考案,2.無拘束モーションキャプチャのための光ファイバ伸縮センサの考案,3.光ファイバベッドによる無意識睡眠時呼吸モニタリングについて研究開発を行った.脈圧計測センサユニットと,湿度を高感度で捉える光ファイバSPRセンサを応用し,手のひらからの発汗を検知するセンサユニットを新たに設計・開発を行い,使用者に対して拘束性の低い生体情報計測センサを実現し,国内発表4件,国際発表2件の成果を得た.モーションキャプチャのための伸縮センサは,使用者が違和感を感じない程度の薄さで,伸縮量を曲げ量に効率よく変換する機構を有する伸縮センサユニットの開発を行い,国内発表1件の成果を得た.睡眠時の呼吸モニタリングでは,光ファイバセンサが組み込まれたベットを開発し,睡眠時の呼吸を捉えることを確認し,査読付論文1本,国内発表1件の成果を得た.
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