Research Abstract |
本研究では,安定した光伝送ができるシングルモードファイバ線路中にインラインで埋め込まれたヘテロコア光ファイバセンサを用いて,脈拍や睡眠時の呼吸,心拍といった微弱な動きから,人体の運動動作といった大まかな動きといった広範囲の生体情報を取得するモニタリングシステムを構築することを目的とする. ヘテロコア光ファイバセンサは,コア径が適度に調節されたヘテロコア部を設けることで,比較的緩やかな光ファイバの曲げに対して感度があり,安定したシングルモードファイバで構成されるため伝送路長を自由に確保でき,センサ部以外の変形などの外乱の影響を受けにくい.また,環境中の温度変動に依存しない利点もある.そのため,衣類に埋め込まれる装着型,また環境配置型センサとして有用性がある.また,ヘテロコア光神経センサは,微弱な曲げ変化を高感度で検知しながら,ダイナミックレンジを自由に調整できるため,身体全体の動きといった大きな変化から,脈拍・呼吸といった身体の微弱な変動まで捉えることが可能である. 本研究では,ヘテロコア光ファイバセンサを用いて,装着型計測,環境配置型計測システムとして無拘束・無意識生体情報計測モニタリングの構築を行った.装着型計測としては,普段身に着ける衣類とヘテロコア光ファイバ網を一体化させ,脈圧という微弱な信号を鋭敏に捉える脈拍センサモジュールを開発し,被験者9名に対してその有効性を確認する成果を得た.また,環境配置型計測においては,ベット内にヘテロコア光ファイバセンサを埋め込み,睡眠時呼吸モニタリングシステムを開発した.そのセンサを意識することなく,鋭敏に呼吸状態,寝返りをリアルタイムで計測できる成果を得た.
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