2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜融合特性をもつ蛍光金属錯体型糖鎖の創製と癌細胞ターゲッティングへの展開
Project/Area Number |
22700483
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 朋子 東京工科大学, 片柳研究所, 研究員 (60409795)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 蛍光金属錯体 / ルテニウム / 膜融合 / 癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛍光金属錯体型糖鎖に生体膜融合特性を付与し、従来よりも生体膜に近い環境下で、糖鎖が示す分子認識能の解明を可能にする分子を創製することである。また、この分子を用いることで癌細胞に対して特異的に膜融合を起こすリポソームを作製し、癌細胞ターゲッティングに対するこの分子の有用性を、評価することを目的とする。本年度は、生体膜上の金属錯体型糖鎖が示すタンパク認識能を評価し、さらに癌細胞に対する金属錯体型糖鎖の結合能を評価した。まず、金属錯体型糖鎖を含んだリポソームをエクストルージョン法で作製し、このリポソームを、基板上の脂質膜に融合させた。X線光電子分光法および共焦点蛍光顕微鏡を用いた分析により、効率良く金属錯体型糖鎖を基板上の膜に埋め込む条件を決定した。続いて、生体膜上に存在する糖鎖が示すタンパク認識能を、蛍光偏光法で評価した。金属錯体型糖鎖がタンパク認識能を示すことを明らかにした。さらに癌細胞に対する金属錯体型糖鎖の結合能を、蛍光顕微鏡を用いて評価した。癌細胞(HeLa)に対して金属錯体型糖鎖が膜融合することを確認することができたが、糖鎖による癌細胞に対する結合能の向上は観られなかった。本研究において創製し明らかにした新しい膜融合特性を有する金属錯体型糖鎖は、従来よりも生体内に近い環境下で糖鎖の分子認識能を評価可能にするため、これまでの糖鎖の分子認識能評価法を大きく改善することが期待できる。さらに、糖鎖構造を最適化すれば、癌細胞膜に選択的に融合する蛍光金属錯体型糖鎖を得られ、今後の癌細胞ターゲッティング法の開発につなげることを期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Intricate Recognition of Glycolipid-like Compounds by HIV-1 Envelope Proteins Evaluated with Surface Plasmon Resonance Imaging2012
Author(s)
T. Okada, A. Kimura, H. Miura, T.Nishiyama, M. Mori, J. Suzuki, M. Ogiso, K. Matsuoka, T. Sato, K. Hatanaka, N. Minoura.
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Journal Title
J. Carbohydr. Chem.
Volume: 31(7)
Pages: 584 - 597
DOI
Peer Reviewed
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