2011 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織由来細胞を用いた組織再生の解明-イメージングシステムを駆使して
Project/Area Number |
22700486
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Research Institution | 防衛医科大学校 |
Principal Investigator |
服部 秀美 防衛医科大学校, 防衛医学研究センター, 助教 (80508549)
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Keywords | 生体イメージング / 脂肪組織由来間質細胞 / 血管新生 / 骨髄細胞 / 炎症細胞 |
Research Abstract |
虚血部位に脂肪組織由来の細胞を移植することによって、良好な新生血管が形成される報告はなされているものの、その詳細な作用機序について不明な点は多い。そこで脂肪組織由来の細胞を移植した際に起こる新生血管形成のメカニズムをin vivoイメージングシステムを用いて解明を試みた。まず、脂肪組織由来間質細胞をPKH26で標識した。次にGreen Fluorescent Protein(GFP)トランスジェニックマウスから骨髄細胞を採取した。そして、PKH26標識脂肪組織由来間質細胞をマウスの皮下へ、GFP陽性骨髄細胞を尾静脈へ注入した。それぞれの細胞の生体内の挙動を経時的にin vivoイメージングシステムによって観察した。尾静脈からGFP陽性骨髄細胞を注入した直後、血管内を循環する細胞の様子を観察することができた。PKH26標識脂肪組織由来間質細胞を皮下に注入した約6時間後から、GFP陽性骨髄細胞がPKH26標識脂肪組織由来間質細胞注入部位へ集積し始めた。さらにGFP陽性骨髄細胞が、血管から血管外、そして組織中へ遊走される様子も観察することができた。免疫染色による検討の結果、初期に遊走された多くのGFP陽性骨髄細胞は、Gr1及びCD11b陽性の炎症系細胞であった。脂肪組織由来間質細胞を注入した群の血管新生を近赤外蛍光試薬の血管造影剤を用いて観察したところ、注入部位において炎症及び新生血管を観察することができた。骨髄細胞の遊走をブロックすると、脂肪組織由来間質細胞を注入したとしても血管新生が阻害されることが確認された。脂肪組織由来の細胞を移植した際に形成される新生血管は、移植した細胞だけの効果でなく、骨髄由来炎症系細胞との相互作用により誘発されるのではないかと示唆された。
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Research Products
(5 results)