2012 Fiscal Year Annual Research Report
機能性高分子-siRNA結合体の創製とsiRNAデリバリーへの応用
Project/Area Number |
22700489
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 完二郎 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50436523)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | siRNA / ドラッグデリバリー / 機能性高分子 / ポリイオンコンプレックス |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、核酸医薬としての応用が期待されるsiRNAを効率良く細胞質内へと導入するための方法論として、機能性高分子-siRNA新規コンジュゲート体を創出することである。 まず基本骨格として、ポリアスパラギン酸の側鎖に、細胞質内で切断されるジスルフィド結合を介してsiRNAが導入されたコンジュゲート体を設計した。結果として、ポリカチオンとの間で形成されるポリイオンコンプレックス(PIC)が安定化され、効率の良い細胞内取り込みを可能とすると共に、細胞質還元環境下でのPIC不安定化によるsiRNA放出が確認された。さらに、このコンジュゲート体から調製されたPICをマウス尾静脈より投与し、その血中安定性を通常のsiRNAから成るPICと比較したところ、コンジュゲート化により血中滞留性が10倍以上増大することが明らかになった。 次に、siRNAの薬理活性をさらに高めるために、細胞内に取り込まれた後にエンドソームから細胞質への移行を促進(エンドソーム脱出)するための機能性高分子コンジュゲートの設計を検討した。具体的には、酸性環境で切断されるマレイン酸アミド構造をリンカーとして利用し、膜傷害活性を有するポリアミノ酸とsiRNAから成るコンジュゲート体を設計した。すなわち、中性環境ではコンジュゲート体は膜傷害活性を示さないが、エンドソーム酸性環境ではリンカーがはずれ、ポリアミノ酸によるエンドソーム膜傷害とsiRNA放出とが同時に起きる設計である。実際に、ポリカチオンとコンジュゲート体の間でPICを調製し、共焦点蛍光顕微鏡によりPICの細胞内動態を観察したところ、効率の良いエンドソーム脱出が確認された。結果として、培養細胞に対する優れた遺伝子発現抑制効果(RNA干渉)が誘導されることが明らかになった。今後は、疾患モデル動物を用いた治療実験へと展開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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