2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質徐放性と組織接着性を兼ね備えた新規バイオマテリアルの創製と医療応用
Project/Area Number |
22700490
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
村上 義彦 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00339748)
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Keywords | 組織接着材 / 高分子ミセル / 自己組織化体 / バイオマテリアル / ハイドロゲル / ブロック共重合体 |
Research Abstract |
本研究では、(1)タンパク質の内包・徐放を可能とする新しい自己組織化体(「二重構造」高分子ミセル)の開発、(2)得られた自己組織化体を架橋構造として利用した「合成高分子のみを利用した安全性が高い」新しい組織接着性ゲルの開発、及び(3)動物実験による組織接着性ゲルの性能評価、という三つの実験課題を進めることによって、「『タンパク質の徐放を可能とする』新しいバイオマテリアル(生体材料)を創製し、その医療応用(止血材や薬物徐放材料としての応用)を目指す」ことを目的としている。本年度はまず初めに、親水部としてポリエチレングリコール(PEG)、疎水部として生体適合性の高い高分子(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等)を有するブロック共重合体の合成を検討した。開始剤/モノマー濃度比、モノマー濃度、重合反応時間等を変化させることによって、様々な組成のブロックポリマーを合成した。得られた共重合体を用いて、三層構造型高分子ミセルを調製した。得られた三層構造型高分子ミセルの諸特性(粒径、ゼータ電位等)の評価を、動的・静的光散乱装置(現有)、高速液体クロマトグラフィー(現有)によって行った。最後に、三層構造型高分子ミセル、及び側鎖にアミノ基を有する様々な高分子を混合し、ゲルを形成した。ゲル形成速度に及ぼす諸因子(各成分濃度、pH、二重構造型高分子ミセルを形成するブロックポリマーの組成等)の影響を、粘弾性測定装置によって明らかにした。
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Research Products
(4 results)