2012 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療のための遺伝子導入の空間的・時間的コントロール
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22700499
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大矢根 綾子 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (50356672)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アパタイト / 遺伝子導入 / DNA / 細胞接着因子 / コーティング / 骨組織再生 / 骨分化 / ナノコンポジット |
Research Abstract |
当該年度は、昨年度までに開発してきたアパタイト(Ap)複合層による遺伝子導入システムの安全性と有効性をin vitroおよびin vivo実験により確認するとともに、複合層形成手法の安全性向上を図った。 まず、DNAのみを担持させたAp層(D-Ap層)に脂質あるいはフィブロネクチンを複合担持し、株化細胞およびラット間葉系幹細胞へのルシフェラーゼ遺伝子(レポーター遺伝子)の導入効率を評価した。複合層の組成を制御することによって導入効率を最大限向上させた複合層によれば、株化細胞だけでなくラット間葉系幹細胞に対しても遺伝子を導入できることを実証した。 次に、レポーター遺伝子に替わって骨形成タンパク質-2(BMP-2)のcDNAを含むプラスミドを用いて上記の複合層を形成させた。同複合層の表面において、骨芽細胞系株化細胞であるMC3T3-E1細胞を培養し、in vitro骨分化誘導実験を行った。その結果、同複合層の表面ではコントロール群(Ap層およびD-Ap層)に比べて、細胞の骨分化が促進されることを明らかにした。また、人工骨モデル材料である焼結Ap基板の表面に同複合層を形成させてラットの頭蓋骨欠損部に移植したところ、周辺組織における骨分化マーカーの遺伝子発現量および新生骨形成量が、コントロール群に比べて増大した。ラット皮下(骨組織のない部位)への移植においても、骨欠損部と同様の遺伝子発現の結果が得られた。以上の結果から、本遺伝子導入法によれば、in vitroだけでなくin vivoにおいても細胞の分化を誘導でき、周辺組織の再生を促進できることが示唆された。 さらに、厚生労働省の認可を受けて臨床使用されている医療用輸液のみを用いてコーティング液を調製し、D-Ap層を形成できることを示した。これにより、従来法に比べて安全性の高い複合層の形成手法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)