2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロバスト性をもつ脳動脈瘤用ステントの開発に関する研究
Project/Area Number |
22700503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 敏男 東北大学, 大学院・医工学研究科, 助教 (80451631)
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Keywords | 流体工学 |
Research Abstract |
本研究ではロバスト性を持つ血流阻害性の高い脳動脈瘤治療用のステントストラットパターンの研究である.脳動脈瘤の破裂は生命の危機に直面する非常に危険な疾病である.この疾病に対して,血管内から脳動脈瘤治療を行う血管内治療が全世界的に注目されている.脳動脈瘤用のステントは発売されて以来,コイル塞栓術が難しいとされるワイドネックの動脈瘤のコイル保持を主な目的としてきた.近年ではステント留置を行うことにより瘤内で血栓形成,治癒膜生成を行う動脈瘤治療に注目が集まっている.しかしながら,ステントは留置位置によって血流阻害性能が大きく変化することがこれまでの研究から分かり,現場医師からは留置位置に依存せず血流阻害性の高いステントが求められている. そこで,本研究の目的であるロバスト性を持ち,血流阻害性が高く,留置位置の依存性が少ないステントストラットパターンの数値流体力学解析(CFDシミュレーション)を用いて開発設計することを目的とする. 本年度は,本研究を行う上で重要とされる設計パラメータとステントを評価する指標の選出に取り組んだ.設計パラメータとしてステント留置位置を想定し,留置位置を変えることによる脳動脈瘤内の血流への影響に関して検討を行った.そして,これまでに考案したステントストラットの最適設計理論と組み合わすことにより,血流阻害性の高い留置位置に関しても同時に検討を行った.これらの成果は,2011年1月に熊本県熊本市で開催された日本機械学会主催のバイオエンジニアリング講演会において発表を行った.また,本研究内容が高く評価を受け招待講演をおこなった.招待講演は2010年11月にはステントとバイオメカニクスのシンポジウム,また同じく11月にはスイスで開催された血管のバイオレオロジーに関するシンポジウムで行った.
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